胆汁中のコレステロール濃度が血漿脂質の上昇に伴って高くなり、胆汁酸やリン脂質よりも高くなると、コレステロールが結晶しやすい状態となる。
そして、濃度がミセル域と呼ばれる溶存限界を超えたとき、胆石が発生する。
肥満症の場合、コレステロールの肝臓から胆汁中への排泄が普通よりも増加し、胆汁酸などにたいする比率が高まるため、胆石となりやすくなるのである。
肥満と胆石症の関係を考えるうえで、もう一つ気をつけておきたいのは、肥満治療中にもコレステロール胆石症ができるという報告があることだ。
以前は胆石のなかった高度肥満30例が、胃バイパス手術による減量をおこなったところ、 平均一年間で3分の1に当たる10例に胆石が生じたという報告がある。
ほかにも胃バイパス手術後29%、38%など、高い胆石発症率が欧米から報告されている。
大々的な減量手術でなく、減食療法によっても胆石が形成される頻度が高いことが知られている。
とくにリバウンドを繰り返している肥満者は要注意である。
こうしたことを考えると、胆石は肥満者にとっては、非常にやっかいな存在と位置づけることができるのかもしれない。
肥満が進むと肝臓のなかにまで脂肪が浸みこんでいき、脂肪肝が出現する。
過剰なエネルギーを摂取し続けると、肝臓にまで脂肪がたまってしまうのである。
脂肪肝というのは、肝細胞内に生理的範囲を超えて中性脂肪が蓄積した状態を指す。
肥満と脂肪肝の関係は極めてはっきりしている。
高度肥満の60〜95%までに脂肪肝が認められ、肥満の度合いが進むほど脂肪肝が現れる確率が高くなる。
そして、脂肪肝の原因のおよそ40%までを、アルコールと過栄養、つまり肥満が占めているのである。
肥満によって脂肪肝が起こるのは、肝臓と脂肪組織で中性脂肪の合成が充進しており、摂取したエネルギーを中性脂肪として、肝臓や脂肪組織に蓄積させてしまうという特徴的な代謝がおこなわれているからである。
さて、脂肪肝の問題の一つに、自覚症状に乏しく、これという特徴がないために診察しただけでは診断が難しいことがある。
自覚症状としては、右季肋部(みぞおちの右側)に重圧感を感じることがある程度である。
一般的な検査では、肝機能検査のGOT、GPTの軽度の上昇や血清脂質の総コレステロールや中性脂肪の増加がみられ、腹部超音波検査によってほぼ診断できる。
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